5月11日水曜日にクーゲルさんで営業前の早い時間に当主オリヴィエさんを交えての、試飲セミナーがありました。
グランキュヴェとクロデュメニル、そしてロゼ。
あらためて感じた事は、グランキュヴェは交響曲であり、クロデュメニルは一流のプレイヤーによるソナタであると感じました。
グランキュヴェがサーヴされていた時、ちょうどBGMがラフマニノフの交響曲第2番の第4楽章が流れていて、クロデュメニルはがサーヴされる時、ピアノソナタに変わりました。
さすが、西田さんの演出かなと思い、抜群のタイミングでした。
グランキュヴェは、若いキュヴェと古いワイン、25か所のヴィレッジ、250種類のワインから織りなすオーケストラ。
4か月に渡る1000回を重ねるテイスティングというのも、徹底したリハを重ねる指揮者とフィルハーモニーの関係に似ている。
10年前にKRUGを訪ねた時にグランキュヴェはノンヴィンテージではなく、マルチヴィンテージだと言っていたのが思い出されました。
対してクロデュメニルはメニルシュールオジェの6haの畑のさらに最良の区画、葡萄、そして、優良年しかつくらないという徹底ぶり。
選び抜かれた者しかそのステージに経てない、トップキュヴェ。
どちらも考え抜かれ、永きに渡る経験から得られたフィロソフィーであると感じました。
音楽を聞くときに、ソナタがいいか交響曲がいいか優劣をつけられないように、どちらも素晴らしい。
グランキュヴェはドライアプリコットやマーマレード、グランマルニエ、ローストしたナッツ、アーモンドの香りも出てきます。
円熟した味わいで低音域でのバランスも良く、音楽でたとえるなら、ベートーヴェンの交響曲第4番かなと私は思います。
クロデュメニルは98というヴィンテージでありながら、まだ若々しさも感じ、若葉のような清々しい青葉のような香りもありながら、ヘーゼルナッツやブリュレのようなメニル特有の香りもでてきています。
味わいが、ソリッドで日本刀のような切れ味の鋭い酸がありながら、強烈に野太い厚みのあるアタックという相矛盾しながら、余韻が恐ろしいほど長く続きます。
少し狂気さえ感じさせながら、素晴らしい疾走感で聴衆をぐいぐい引っ張っていく絶頂期のホロヴィッツやグレングールドの演奏を思いました。
ロゼもKRUGだからこそ実現できる味わいの構築で、素晴らしいシャンパーニュでした。
あらためてKRUGは1流のメゾンであると確信しました。
毎月9のつく日はクーゲルさんで、KRUGのグランキュヴェがグラスで飲めるそうです。
また、プライヴェートで飲みにいこう♪